冬は身体が冷えやすく、免疫力が低下して体調を崩しやすい季節です。風邪や体調不良に悩む方も多いのではないでしょうか。
体調管理には、いろいろな方法がありますが、毎日の食事から身体を整える方法があります。それは、薬膳の知恵を取り入れることです。
冬におすすめの薬膳は、身体を温める食材を取り入れることで、内側から温めて、寒さに負けない身体を作ることができます。
この記事では、冬におすすめの薬膳に関して、食材の紹介と簡単に作れる薬膳スープのレシピをご紹介します。
薬膳とは?食材の力で体を整える「薬食同源」の考え方
薬膳の基本的な考え方に「薬食同源」というものがあります。これは、食べものと薬は、源は同じという意味です。つまり、日々の食事によって、身体の健康を維持することができるという考え方になります。
食材には、それぞれ「温める」「冷やす」などの性質があり、季節や体調に合わせて食材を選んであげることで、身体を整えることができます。
冬におすすめの薬膳とは?
冬は「腎」の働きが弱まるため、身体が冷えてしまいます。また、寒さで毛細血管が収縮し、気血の巡りが悪くなります。
そのため、以下のポイントを意識することが大切です。
・身体を温める食材を取り入れ、冷えを防ぐ
・「腎」を補う食材を取り入れ、身体の内側からエネルギーを養う
これらの食材を意識的に摂ることで、冬の冷えや体力の低下を防ぐことができます。
身体を温める食材
・鶏肉
エネルギーを補給し、体力を高める効果があるため寒い冬には欠かせません。
また、鶏肉は、スープに旨みをプラスしてくれます。
・生姜
血行を促進し、身体を内側から温めてくれます。
生姜の皮は身体を冷やす作用があるため、冬は皮をむいて使うことをおすすめします。
・ニラ
身体を芯から温めてくれます。
また、消化を助け、疲労回復にも役立つため、冬の薬膳にはぴったりです。
・長ネギ
身体を温めるだけでなく、気の巡りもよくし、免疫力を高める効果もあります。
腎の働きを助ける食材
・黒胡麻
腎を補う食材の代表格です。腎を強化し、高いアンチエイジング効果があるため、髪や肌に良い影響を与えます。
・黒豆
「腎」に良いとされる黒い食材の代表格。身体のエネルギーを補い、むくみの改善にも役立ちます。
・えび
身体を温めながら「腎」をサポートして、気力や活力を補います。疲れやすい冬には特におすすめです。
・豚肉
栄養豊富で、腎の働きを助けるほか、疲労回復や滋養強壮にも効果的です。
身体の中から温める、腎を補う薬膳スープレシピ
薬膳スープと聞くと、難しいイメージを持たれる方もいるかと思いますが、スーパーなどで手に入る身近な食材だけを使っています。ぜひ作ってみてくださいね。
「鶏肉と根菜の生姜スープ」
(材料)4人前
・鶏もも肉(1枚)
・だいこん(150g)
・レンコン(150g)
・生姜(1片)
・ニラ(4本分)
・長ネギ(10cm)
・出汁(800ml)
・塩(小さじ1)
・薄口醤油(小さじ2)
・黒胡麻(適量)
(作り方)
①材料を切ります。鶏肉は一口サイズ、大根とレンコンは銀杏切りにし、レンコンは水につけてアクをとります。生姜は皮をむいて千切りにし、ニラは2cm切り、長ネギは斜め薄切りにします。
②鍋に、出汁・生姜・鶏もも肉・大根・レンコンを入れて弱めの中火で10分煮込み、アクを取り除きます。(吹きこぼれに注意してください)
③塩、薄口醤油で味を整え、ニラと長ネギを加えて1〜2分煮る。
④器に盛り、仕上げに黒胡麻をトッピング
生姜の香りと鶏肉の旨みが広がり、体の芯からポカポカと温まるスープです。黒胡麻はすりごまにすると、香りもよく栄養価の吸収率も高まります。
薬膳を毎日の食生活に取り入れるコツ
それぞれの食材がどのような性質を持つのかは、薬膳の辞典も売られているので、初心者でもわかりやすいものを選ぶと良いでしょう。
また、旬の食材は、その季節の身体にあった食材でもあるので、まずは旬の食材を意識して取り入れると良いです。
例えば、夏の旬の野菜はきゅうりやトマトなど、太陽の光を浴びて色づいたものが多く、ほてった身体を冷やしてくれる効果があります。冬の旬の野菜は、大根や人参など土で育つものが多く、身体を温めてくれます。
毎日、口にしている食べ物によって私たちの身体は作られます。季節によって取り入れる食材を意識してみてくださいね。
まとめ
冬は寒さや冷えから体調を崩しやすい季節ですが、薬膳の知恵を取り入れて健康を維持することができます。
今回ご紹介した、身体を温める食材や、腎を補う食材を積極的に摂ることで、体内の気や血の巡りが良くなり、冷えや免疫力低下を防いでくれます。
薬膳料理は特別なものではなく、身近な食材で手軽に取り入れることができます。食材だけでなく、飲み物も温かいものを飲むなど、身体の内側から温めて、寒い冬を元気に乗り越えていきましょう。