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その減塩は本当に必要か?天然塩がもたらす健康効果

「塩は体に悪い」とよく聞きますよ。高血圧の原因になる、塩分を控えましょう——そんな言葉が当たり前になっています。でも、ちょっと待ってください。すべての塩が体に悪いわけではありません。

実は、「天然塩」には体に必要なミネラルがバランスよく含まれており、健康をサポートする大切な役割があるのです。

「塩=悪者」のイメージはなぜできた?

塩が悪者になった背景には、高血圧との関係がよく取り上げられるからです。米研究期間で「塩分を多量にとる地域の人は血圧が高い」と結論ずけ世界中に減塩ブームが広がりました。

そして、「塩分の取りすぎ」→「高血圧」→「脳卒中」という構図が出来上がり日本でも「減塩=健康」というイメージが根付きました。

ですが、近年の研究で「減塩が血圧を下げるというはっきりとした効果は認められない」という結論にいたる論文もあります。

たしかに、塩化ナトリウムの過剰摂取は血圧を上げる可能性があります。しかしこれは精製塩を多く摂る場合に言えることであり、天然塩の場合は話が少し違います。

天然塩に含まれるマグネシウムやカリウムは、血圧の調整をサポートする働きがあるため、むしろ体内バランスを整える助けになるとも言われています。

精製塩と天然塩の違いとは

まず、塩には大きく分けて2種類あります。スーパーでよく見かけるのが「精製塩」。これは塩化ナトリウムを99%以上にまで純粋にしたもので、ミネラル分はほとんど除かれています。白くてサラサラしているのが特徴です。

一方、天然塩(天日塩・岩塩・海塩など)は、海水や岩塩を自然のままに近い形で採取・加工しており、マグネシウムやカルシウム、カリウムなどの微量ミネラルを豊富に含んでいるのが特徴です。

なぜ天然塩は健康に良いの?

人間の体には、ナトリウムだけでなく、マグネシウム・カリウム・カルシウムなどのミネラルが不可欠です。これらのミネラルは神経の働きや筋肉の収縮、体内の水分バランスなどに関わっており、不足すると体調不良の原因になることもあります。

天然塩にはこうしたミネラルが含まれているため、ただの調味料というだけでなく、健康維持に役立つ存在でもあるのです。

天然塩の選び方

市場には「天然塩」とうたっていても、実は精製塩ににがりを加えただけのものもあります。本当に体に優しい天然塩を選ぶには、以下のポイントをチェックしてみましょう。

原材料:海水、岩塩など自然由来であるか

製法:天日干し、釜焚きなど、伝統的な方法で作られているか

食べすぎには注意。でも、怖がりすぎなくてOK
どんなに天然のものでも、摂りすぎれば体に負担がかかるのは事実です。しかし、「塩=悪いもの」と思い込んでしまって、必要以上に避けるのは逆効果。体に必要な塩分とミネラルを適度に補うことが、健康への第一歩です。

最後に

スーパーの棚には減塩食品をよく見かけますが、それらの食品には食品添加物が多く含まれているケースもあります。健康のための減塩食品のはずが、逆に思わぬ落とし穴がある場合もあるのでご注意ください。

塩は命に関わる大切な栄養素です。天然塩を選び、質の良い塩を適量使うことで、食事の味も、体の調子も変わってきます。

次に塩を手に取るときは、ちょっとだけラベルを見てみてください。「自然の恵み」を意識した選び方、はじめてみませんか?

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