
風邪をひきやすかったり、花粉に敏感だったりするのは、季節の変わり目だから仕方ないと思っていませんか?実は、それは免疫力の低下が原因かもしれません。
免疫力が低下すると、ウイルスや細菌に対する抵抗力が弱まり、体調を崩しやすくなります。免疫力を高めるためには、バランスの取れた食事をはじめ、睡眠、運動などの規則正しい生活習慣が大切です。特に、免疫力の7割とも言われる腸内環境を整える食材や、体の防御力を高める栄養素を意識して摂ることが重要になります。
本記事では、免疫力アップが期待できる食品として、
- 腸内環境を整える発酵食品と食物繊維
- 抗酸化作用のあるフィトケミカル
- 免疫細胞の材料になるタンパク質
- 胃や腸管を守るグルタミン酸
- 代謝をあげて体を温める食品
日々の食事に取り入れて免疫力を高め、風邪に負けない健康な体を作っていきましょう。
腸内環境を整える発酵食品と食物繊維
免疫細胞の約7割が腸内に存在しており、腸内環境を整えることで、免疫細胞が活性化され、病気に負けない体づくりができます。
(1)発酵食品
ぬか漬けやキムチなどの漬物、納豆、味噌、ヨーグルト、チーズなど、発酵食品には乳酸菌やビフィズス菌が豊富に含まれています。口から入った乳酸菌は、体内に長く留まらず便と一緒に排出されてしまうため、毎日摂ることが大切です。
(2)食物繊維
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類あります。水溶性食物繊維は腸内環境をよくするだけでなく、便を柔らかくしたり、食後の急激な血糖値の上昇を抑えてくれたりする効果があります。わかめ、こんぶ、めかぶ、もずく、山芋、オクラ、なめこなどに多く含まれており、ヌルヌルとしているものが多いです。
不溶性食物繊維は、水分を吸収してふくらみ、便のカサを増したり、腸のぜんどう運動を促したりして便秘を防いでくれます。ごぼう、さつまいも、大麦など、野菜や芋類、穀類、豆類に多く含まれています。

抗酸化作用のあるフィトケミカル
フィトケミカルとは植物に含まれる天然成分で、抗酸化作用があり免疫力を高める効果が期待できます。なぜなら、活性酸素を抑えて細胞のダメージを防ぐため、体の防御機能が強化されて病気にかかりにくい強い体が作れるからです。
フィトケミカルは1万種類以上あると言われており、野菜や果物に多く含まれています。例えば、β-カロテンを豊富に含むニンジンや、ポリフェノールが多いブドウやなす、アントシアニンが多いブルーベリーなどがあります。
普段の食事に、野菜や果物を積極的に取り入れることで、免疫力を高め、健康を維持することができるのです。

免疫細胞の材料になるタンパク質
肉や魚などのタンパク質は、私たちの体の筋肉や血液、皮膚などを作る成分ですが、免疫細胞の材料にもなります。タンパク質は20種類のアミノ酸で作られており、体内で合成できないアミノ酸は食べ物から摂らなければなりません。
タンパク質には動物性と植物性の2種類があります。肉、魚、卵などの動物性タンパク質は、脂肪が高いものが多く、腸内の悪玉菌が好むため食べ過ぎには注意しましょう。目安として1日に手のひらに乗る程度の分量で、脂身の少ない赤身肉や胸肉を選ぶことをおすすめします。
植物性タンパク質は、大豆や大豆製品に多く含まれます。タンパク質だけでなく、腸内環境を整える食物繊維なども豊富に含まれているので、積極的に摂取したい食品です。
免疫細胞をしっかり作っていくために、動物性と植物性の2種類の良質なタンパク質を、バランスよく摂りましょう。

胃や腸管を守るグルタミン酸
免疫力を高めるためには、胃や腸管を健康に保つことが大切です。それを担ってくれるのが「グルタミン酸」というアミノ酸です。
昆布やかつお節、しいたけなど、私たちに身近な「出汁」に含まれています。また、味噌や醤油などの発酵食品、トマト、チーズにも多く含まれます。つまり、出汁のきいた野菜たっぷりのお味噌汁は、毎日積極的に取り入れたいおすすめの食事です。
代謝をあげて体を温める食品
代謝をあげて体温を36.5〜37℃の適切な体温に保つことは、免疫力を高めるために重要です。体温が1℃下がると免疫力が30%下がると言われており、冷えは病気のリスクを高めてしまいます。
代謝を上げるためには、適度な運動や水分を摂ることが大切になりますが、体を温める食品を積極的に食べることも効果的です。例えば、ニンジン、レンコン、ごぼうなどの根菜類や、発酵食品は体を温めてくれます。トマトやなすなどの夏野菜は体を冷やしますが、煮る・焼く・蒸すなどして温める調理をすることで体を温めることができます。
夏は冷たいジュースやアイスを摂りがちですが、温かい飲み物や調理法を工夫した食事を摂ったり、冬は冷えを感じやすいため、体を温める食材を意識して摂ったりするなどして、体を温めて免疫力を維持していきましょう。
まとめ
免疫力を高めるためには、毎日の食事でバランスよく栄養を摂ることが大切です。特に、次のポイントを意識してみましょう。
・発酵食品を毎日1回以上摂る
・食物繊維(野菜・海藻・豆類)を意識して摂り、腸内環境を整える
・フィトケミカル(色の濃い野菜や果物)を積極的に摂り、抗酸化力を上げる
・タンパク質を、1日手のひらくらいを目安に摂取し、免疫細胞を作る
・出汁の効いた野菜たっぷりのお味噌汁を食べ、腸管を健康に保つ
・体を温める食材と、温める調理法を取り入れて体温を維持する
毎日の食事にこれらの食材を取り入れ、免疫力をアップし、健康な体を維持していきましょう!
