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てくてくてー。歩く。|健康本14

Amazon「健康法の売れ筋ランキング」の健康法で1位(2025/08/26 時点)になっていた「歩く マジで人生が変わる習慣」をマジでご紹介いたします。

もともとお散歩が好きでよく家の周りをぐるぐる歩いていた姿は不審者のそれで通報ギリだった私でございます。
それなのに、夏の暑さですっかりお散歩を忘れていました...。

そろそろ秋の気配が見えてきたところで、基本を思いだして「お散歩本」をピックアップしてみました。

俳優 石田ゆり子さん 推薦!「そうか、そうだったのか! ~略~」
医師・解剖学者 養老孟司さん 推薦!「歩くことを文化面 ~略~ 勉強になって、しかもおもしろい!」

有名人がおすすめしているけどあまり気にならない。なぜなら、今回はジャケ買いではなく(装丁デザイナーさんすみません)気になるのは中身だけだからです(個人的な興味の純度が高いよ)!

▲「歩く マジで人生が変わる習慣」池田光史 (著)

「デキる人ほど歩いてる。」

「偉業をなす人は、「歩く」にたどりつく。」

「歩けば、すべてが変わり出す。」

「現代人の足は壊れている」

「犬も歩けば棒に当たる」(←ただのことわざです)

マジ!? ということで疑うことしか知らない私がよちよち歩きでおっぱじめた今回のコラム。マジって言われるとマジっ!?って返したくなるのなんでだろ?

本を読み終えた頃には、お散歩にハマっちゃう!? かもしれません。
そう、信じるか信じないかは ~略~

よしっ!文字数を稼いだところで、本の内容をざっくりご紹介していきます。

「歩く マジで人生が変わる習慣」は池田光史さんによって書かれた健康本です。池田光史さんは1983年鹿児島生まれ。 東京大学経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。 2016年よりNewsPicks編集部に参画して、現在はNewsPicks CMO(Chief Media Officer)らしいです。

言わば「本」と「メディア」のプロフェッショナル!

気になってきたその内容は、6つの「Step」と3つの「コラム」によって構成されています。

タイトル通り「歩くだけで人生が変わる」というシンプルなテーマを多角的に掘り下げている一冊となっています。

<Step>
1 脳のこと:歩くとアイデアが降ってくる
2 身体のこと:ホモ・セデンタリウス:座る人類
3 街のこと:都市化という人体実験
4 足のこと:二足歩行という人体の奇跡
5 靴のこと:履物というテクノロジー
6 自然のこと:文明と共に失ったもの

<コラム>
創造性を高める習慣
健康を保つ習慣
靴が変わると歩きたくなる

面白さのポイントと信頼できるポイントは、著者自身が「お散歩の実践者」であること。

歩くことを習慣化することで得られる心身の変化を、ユーモアを交えつつリアルに語っているので、「自分も今日から歩いてみようかな」と思わせてくれる「今っぽい」語り口の本です。

ありがちな「健康法教えます本」ではなく、エッセイのような読みやすさが魅力になっているかなと思いました。

さらに科学的エビデンスもしっかりと盛り込まれています。

例えば「1日8,000歩を目安に歩くことで心疾患や糖尿病のリスクが有意に下がる」といった研究データや、「歩行が脳の海馬を刺激し、記憶力や集中力の改善につながる」といった神経科学的知見も。

「歩けば痩せる」的な曖昧でそれらしい話ではなく、実験や統計に裏付けられた解説があるので納得感マシマシの感じです。

そして、個人的に「超」気になったのが、本書を読むと無性に試してみたくなる「アルトラ」(https://altrafootwear.jp/)のスニーカー!著者はアルトラの回し者か?

(「時計仕掛けのオレンジ」という映画の中でティーンエージャーたちが操っていた人工言語のひとつ「アルトラ」=「超暴力」と同じ語感を持っているけど、「超暴力」とは無縁のスニーカー、それが、アルトラ。)

アルトラはゼロドロップ(かかととつま先の高さがフラット)で、自然な足運びを促してくれるシューズとして紹介されており、歩行の質を変えてしまうほどの存在感を放っています。

普通のスニーカーでは味わえない「地面をしっかり掴む感覚」や「足本来の機能を引き出す設計」などという機能にくすぐられて、「歩く=単なる移動」から「歩く=身体への投資」へと意識が変わっていくらしい。

現代人の足を支えているともいえるスニーカーについての解像度についても考えさせられますね。

でも、本書を読んで準備運動もせずに散歩からじゃなくて、前のめりでダッシュしちゃうといくつかの落とし穴もあるみたい。

歩きすぎによる膝や腰への負担:
運動習慣がなかった人が急に1万歩を目指すと、逆に体を壊すことも。

アルトラの慣れ問題:
ゼロドロップに慣れていない人はふくらはぎやアキレス腱に強い張りを感じやすく、徐々に使い始めるのが安全です。

モチベーションの壁:
雨や猛暑、冬の寒さなどで習慣が途切れることもあり、気分任せだと続きにくい。

これらは「歩くこと」自体の欠点ではなく、本の内容を取り入れる際に注意したい点です。

ダッシュしたい気持ちを抑えて1歩づつ散歩をはじめていって、無理をしないで少しずつ自分の生活に「散歩」をなじませて「習慣化」していく工夫が大切だと感じている次第でございます。

この本は「歩くことの再発見」のきっかけとなりそうな予感がしないでもない。

歩いていると考え事をしやすくて、脳のもやもやがすがすがしくなるような気がしていたのはこういうことだったのか!なんてもやっと思っていたことをきりっと言語化してくれた感じ。

おまけにお散歩を楽しく続けるための具体的なツール(アルトラの靴や歩数の目安)まで盛りだくさんときたもんだ。

読み終えて本を閉じた瞬間、靴紐を結んで外に出て歩きながら風を感じたくなる「そっと背中を押してくれる」ような本でしたとさ。

よーーーし!

「真に偉大な思想はすべて、散歩中に浮かんでくる。」(フリードリヒ・ニーチェ/哲学者)
「茂み、木々、森、草地、岩の間を歩くことほど幸せなことはない。」(ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/作曲家)
「我々は脳で考えていると思っているが、私は足で考える。」(ジャック・ラカン/哲学者,精神科医)
「歩き続ければ、すべては上手くいく。」(セーレン・キルケゴール/哲学者,思想家)
「歩く。」(おかししかお)

散歩の先人たちの言葉を足の裏にそっとしまってアルトラで歩く。

てくてくてー🚶.🚶.🚶.

<今回ご紹介した本>
歩く マジで人生が変わる習慣
池田光史 (著)

出版社:NewsPicksパブリッシング
単行本(ソフトカバー):320ページ
寸法:18.8 x 12.8 x 2 cm
Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 231位 (2025/08/26 時点)
健康法 - 1位
家庭療法・医学 - 5位
医学・薬学・看護学・歯科学 - 7位

<著者について>
池田光史(いけだ・みつふみ)

経済ジャーナリスト。
1983年鹿児島生まれ。東京大学経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部にて金融、日銀・財務省、自動車業界を担当。2016年よりNewsPicks編集部に参画。NewsPicks編集長、CXOを経て現在NewsPicks CMO(Chief Media Officer)。
手がけた主な特集記事は「インスタエコノミー」「トヨタ第3の本社」「電池ウォーズ」「マクドナルド進化論」「テスラの狂気」「ゴーン事変」「iPSの失敗」「円安原論」など。経済ジャーナリストとして地歩を固めたのち、取材で体験した登山をきっかけに「歩く」ことを探求し始める。

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