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水は命の根源ではないのか?水と生活と健康

かなり前の記憶ではありますが「日本の水と安全はタダである」という言葉を聞いたことあるでしょうか?

現在の日本では、"水""安全"もどちらとも不安になる世の中になってしまったと思うことが多いです。

安全面でいえば最近ニュースで話題の闇バイトなど以前とは犯罪の質が明らかに異なってきてるように感じます。

そして、本題である水について。

蛇口を開けばすぐに安全で美味しい水が出てくるのが当たり前という感覚はあります。ですが「日本の水は安全」…そんな話が崩れるような出来事やニュースがたくさんあります

「我が国は豊かな水が豊饒(ほうじょう)な大地を作り、先祖代々続く人々と水との関りがその地域、固有の文化を形成してきました。」

これは、「第4回アジア・太平洋水サミット(2022年4月23日)」で行われた天皇陛下のスピーチによる一部です。

そのスピーチはこちらをご覧ください。
※外部サイトへ(YouTube)

この天皇陛下によるスピーチにもあるように、昔から日本人と水との関りは特別な関係にありました。日本は四季を通じて雨も多く、豊富な水と素晴らしい自然のある国です。美しい川と豊かな森で、日本人は自然の恵からたくさんの恩恵をうけています。

▲天皇陛下ご夫妻(引用元:宮内庁ホームページ)

現在のように水道水がそのまま飲める国は、世界的に少数でそのうちの1つが日本となります。

水の歴史を見てみると、江戸時代には水源から水を引いたり井戸水を汲み上げてました。明治時代になると水質向上やコレラ流行の防止のため、微生物などでろ過(緩速濾過方式)する浄水場が各地で建設されるようになります。

そして敗戦後、GHQの指示により塩素による水の消毒(急速濾過方式)が取り入れられるようになりました。

現在の水道水には塩素が含まれています。その塩素が長期的にみると人体へ影響するのでないかと言われています。

<塩素による影響>
・(塩素と反応して発生する)トリハロメタンによる発がん性
・塩素によるアレルギー反応

永遠に残る化学物質といわれる「PFAS(有機フッ素化合物)」が日本各地の水道水で検出されたというニュースがありました。PFASは、自然界での分解がほとんど起こらないためPFASが放出されると何十年さらには何世代にもわたり残留し続けます。

PFASが植物や動物の体内に取り込まれた場合、代謝されにくいため食物連鎖を通じて濃縮される傾向があります。これにより人間や野生動物の体内にも蓄積され、長期間にわたり体内に残留することが知られています。

<PFASによる影響>
・肝臓への影響
・発がん性
・免疫力の低下
・コレステロール値の上昇

対策方法は?

日本の水道水は海外に比べて塩素濃度が高いです。また、PFASが検出されるという問題もあり、水道水を利用する上で、出来る範囲内で対策をする必要もあるのではないでしょうか。

・水を煮沸する
水道水を10分~15分沸騰することで、塩素の消毒効果がなくなります。ただし、10分未満の煮沸だとトリハロメタンが逆に増加するので必ず10分以上は煮沸しましょう。また、消毒効果が無くなるので長期保存はできません。
※PFASを除去することは出来ません。

・浄水器の使用
トリハロメタンやPFASを除去するという浄水器が販売されています。各製品によって性能や機能、価格帯も様々です。目的や用途に合った浄水器を選びましょう。

・飲み水や料理はミネラルウォーターを使用する
PFASの検出報告のない水源を使う水や安心できるブランドを厳選してください。

・自治体の水質情報を確認しましょう
各自治体で、PFASついての水質検査報告があります。PFASの検出状況は各自治体のホームページで公表されてますし電話相談窓口がありますので心配な場合そちらへお問い合わせください。

・フッ素加工された製品の使用を避ける
PFASは有機フッ素化合物です。水の話と少し離れますが、フッ素加工は様々な製品で利用されています。フッ素加工をしている調理器具やフッ素入りの歯磨き粉です。なるべくそれらの製品や商品を使わないことも選択肢の一つです。

水道水は今後どうなる?

現状、様々な水道水の問題点がありますが、今後の流れとして水道局を民営化する動きがあります。すでに水道事業運営を外資民間企業が請け負っている一部地域もあります。

水道局を民営化する理由として自治体の財政が厳しく水道事業の効率化によるコストカットだそうです。

日本人の生活に関わるインフラを財政難で民間へ?しかもそれが外資企業に?

生命に関わる水について(インフラ全般も含めて)コストカットは不要です。

利益優先の外資企業が(インフラの)運営をすることについて非常に心配でなりません。

重要なインフラについてコストカットする前に、他にコストカットする個所はたくさんあるはずです。(何かとはあえて書きません…)

最後に

人間の60%以上は水分が占めていると言われています。過半数以上を占める人間の水分量から分かる通り、生命を維持する大事な水、そして健康を維持するために良質な水が重要です。

水は命の根源です。代々受け継がれてきた自然豊かな環境から湧き出る日本の水を、いつもまでも守る必要があります。

冒頭でご紹介した天皇陛下によるスピーチは「全世界の人々が安全な水の恩恵を受けて、そして世界が平和になりますように」というお言葉で締めています。まさに、そのような世界が訪れることを願っております。

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