毎日の料理に使う基本調味料。安さだけで選んでいませんか。
スーパーへ行くと味噌ひとつとってもさまざまなメーカーの商品がズラリ。値段もピンからキリまでありますよね。
本来の伝統製法で作られたものは原材料がとてもシンプルです。しかし、スーパーに並べられた商品には添加物が入ったものも多く、そして安く売られています。
毎日くちにするものなので、基本調味料のホンモノの選び方を知って、上手に選べるようになりましょう。基本調味料はホンモノを選ぶだけで、いつものご飯がより美味しくなりますよ。
味噌の選び方
味噌を選ぶ際におさえておきたい3つのポイントをご紹介します。
1、 原材料が大豆・塩・米または麦のもの
味噌の原材料は、大豆、塩、米または麦です。
使っている麹によって種類があり、米味噌、麦味噌、豆味噌の3種類あります。
2、「生」の記載がある、または空気バルブがついたもの
味噌は発酵食品のため、発酵し続けています。そのため、流通過程で膨張して破裂しないためや、品質を安定させるためにアルコール(酒精)を加えたり、加熱したりして発酵を止めていることがあります。加熱されている場合は表記では分かりませんが、「生」の記載があったり、パッケージに空気バルブなどの通気口がついたりしている商品は、発酵している生きた味噌です。
3、国産の大豆
流通されている味噌のほとんどがアメリカや中国の外国産の大豆が使われています。海外の大豆は油分が多く旨味に欠けることと、遺伝子組み換えの心配があるため、できれば国産の大豆を選べると良いですね。
味噌は、麹の量によって甘さや塩味がさまざまです。信州味噌、西京味噌、八丁味噌といったように、地域によっても特徴があります。ご自身やご両親の出身地で作られた味噌は、好みに合うかもしれません。
旅行先で出会った味噌を買ったり、米味噌と麦味噌を合わせてオリジナルの合わせ味噌にしたり、2・3種類の味噌があると毎日の味噌汁に味の変化が出て楽しめますよ。
個人的に豚汁には、麹の割合が多い甘さのある麦味噌がおすすめです。
醤油の選び方
醤油を選ぶ際におさえておきたい2つのポイントをご紹介します。
1、 原材料が大豆、小麦、塩のもの
本来は原材料が3つのシンプルな配合で、じっくりと発酵・熟成されて作られます。しかし、果糖ブドウ糖液糖、カラメル色素などの添加物を使って短期間で作られた安い商品のものが多く売られています。味わいも香りも全然違うので、添加物のないシンプルな原材料を選びましょう。
ただし、九州地方などの甘い醤油が好まれる地域では甘味料が入っていることが多いです。
2、 丸大豆で、遺伝子組み換えでないもの
脱脂加工大豆が使われていることがあります。これは、大豆の油を絞った残りのカスのことで、コストを抑えられるため作り手としてはメリットがあります。しかし、油を絞る際に薬品を使っていることや遺伝子組み換えを使用できるため、できれば避けたい原材料です。遺伝子組み換えでない「丸大豆」を選ぶと安心です。
もっとこだわって選びたい方は、「木桶仕込み」がおすすめです。出荷量としては1%程度なので小型店舗だと置いてない可能性もありますが、木桶には昔ながらの酵母菌や乳酸菌がすみついており、メーカー独自の味や風味があり楽しめます。
最近よく見る「生(なま)醤油」は、フィルターに通して菌などの不純物を取り除いているため、味噌のように必ずしも“生きている”醤油というわけではありません。
しかし、「生(き)醤油」は(生揚醤油とも言います)、もろみを絞ったそのままで火入れをしていない微生物が生きた醤油です。こちらは一般的に流通されていないので直売所などで見つけた時にはぜひチェックしてみてください。
みりんの選び方
みりんを選ぶ際におさえておきたい2つのポイントをご紹介します。
1、 原材料がもち米、米麹、焼酎(米焼酎)のもの
全て米でできているものがポイントです。
みりんは、本みりんとみりん風調味料があります。本みりんは発酵によって作られるものですが、中でもブドウ糖や水あめなどの糖類が入っているものは注意したいです。安く作るために、もち米を少なくする分、糖分を添加して甘味をつけています。
みりん風調味料は糖類が主な原料で、みりんに似せて添加物を加えて作っており、発酵して作る本みりんとは全く別のものになります。
2、 飲んでみて美味しいかどうか
本みりんはアルコール分が約14%のお酒であり、昔は飲用酒として親しまれていました。そのまま飲んでも美味しいのが伝統製法で作られたホンモノのみりんです。
みりん風調味料の場合、お酒ではなく糖類なのでそのまま飲むのは美味しくありません。
みりんには、料理に甘味をつける他に、煮崩れを防ぎ、臭みをとる効果もあります。ホンモノの本みりんは、そのまま飲んで美味しいので料理が美味しく仕上がり深みが出ます。料理初心者や、味付けに自信がない方ほど、ホンモノの本みりんを選ぶだけでも料理を美味しく作ることができますよ。
まとめ
基本調味料である、味噌、醤油、みりんのホンモノの選び方をご紹介しました。どれも本来は手間暇かけて発酵・熟成させて作っているため値段は少し高いですが毎日の料理を格段に美味しく仕上げてくれます。まずはご家庭で使っている調味料の裏面表示を確認してみてください。毎日使う調味料だからこそ、余計な添加物を取らないホンモノの調味料を選んでみませんか。