
毎日の料理をより美味しく健康的に作るには、ホンモノの基本調味料を選ぶことが大切です。シンプルな基本調味料は料理を引き立ててくれます。
本記事では、砂糖・塩・酢の選び方を詳しく解説します。以前、「味噌・醤油・みりん」の選び方をご紹介させていただきましたので、あわせてご覧ください。
毎日の食事に使う基本調味料を、安さだけで選ぶのではなく、美味しさや健康面も考えながら、自分に合うホンモノを見つけて楽しんでみてくださいね。

砂糖を選ぶときのポイント
砂糖は甘味以外に、保存性を高めるなど料理を美味しく仕上げる働きがあります。お菓子などにも多く含まれるため、摂りすぎには注意が必要ですが、料理を美味しくしたり、手作りおやつで使ったりする場合は、質の良い砂糖を選びましょう。
以下の、2つのポイントを意識してみてください。
- 精製度の低いもの
精製されていない「含蜜糖」を選ぶのがおすすめです。精製することで不純物を取り除きますが、その過程でミネラルなどの栄養素もなくなってしまいます。ミネラルがあり、料理にコクを出す含蜜糖を選びましょう。
また、「三温糖」は見た目の色から良い印象を持たれますが、精製された砂糖です。カラメル色素を添加して色付けしているものもあります。工程の中で褐変して、焦げも含まれるため、体の負担が大きいので注意です。
- 原材料を確認する
未精製の良質な砂糖を取り入れたい場合は「サトウキビ」と記載が書いてあるものを選びましょう。黒糖や、きび糖はそれにあたります。ただし、黒糖の場合は独特の味わいと甘さがあり、料理によっては不向きのため、普段使いするのであれば、きび糖がおすすめです。

塩を選ぶ時のポイント
塩は、私たちヒトにとって生きていく上で欠かせないものです。塩に含まれるミネラルは、下記のような働きがあります。
・体を動かす電気信号になる
・消化や吸収を助ける
・細胞の新陳代謝を促す
塩分が足りていないと、頭痛や疲労感などを引き起こします。摂りすぎは体に悪いですがミネラルをしっかりと含む塩を、適量とっていく必要があります。
ミネラルを豊富に含む健康的な塩を取り入れるには、以下の2つのポイントを意識してみてください。
- 原材料を確認する
原材料は、塩だけのものを選びましょう。添加物の入った塩もよく販売されています。塩がさらさらとするために炭酸マグネシウムが使われていたり、「減塩」などと謳った商品には、塩の味や旨味を添加するための添加物が使われていたりします。添加物を避けたい場合は、原材料をよく確認しましょう。 - 工程を確認する
原材料表示に「工程」が書かれているため、確認してみましょう。健康的で体に良い自然の塩を選びたい場合は、「天日」や「天日・平釜」をおすすめします。自然のエネルギーで水分を蒸発させたり、釜で煮詰めて作ったりする工程のため、海水などの原料由来のミネラルを多く含んでいます。
「溶解」と書いてある場合は、海外で作られた天日塩を日本の海水で溶かし、濃い塩水にして作られています。そのため、味が塩辛いのが特徴です。ミネラルを含みますが、ニガリなどを人工的に加えて調整されています。
健康面を考えるなら避けたいのが「イオン交換膜」です。電気分解でナトリウム(Na)と塩素(Cl)の分子を取り出して作ります。塩化ナトリウム(NaCl)のみの塩なので、他のミネラル分を含まず、高血圧を招くリスクが高くなります。
自然由来のミネラルを含んだ天日塩は、工程に手間もあるため高価です。パスタを茹でるための塩は安価なものにして、料理の味の決め手となる塩にはミネラルを含む天日塩にするなど使い分けるのも良いでしょう。

酢を選ぶときのポイント
酢は、健康に良いたくさんの働きがあります。
・疲労回復
・減塩効果
・血液をサラサラにする
・血糖値を下げる
など
原料を発酵してアルコールにし、さらに発酵させて酢が作られるため、発酵の過程でうま味や甘味、香りが豊かになります。酢を選ぶ際の2つのポイントをご紹介します。
- 原材料が「米」のみで「純米酢」と記載されているもの
料理に使うなら米酢がおすすめです。米酢以外には、小麦やトウモロコシなどを原料として作られる穀物酢があります。小麦は輸入時の農薬の心配があり、トウモロコシは遺伝子組み換えの問題もあるため、安心・安全の観点から、国産の純米酢を選ぶと良いでしょう。 - 製法が静置発酵法で作られたもの
昔ながらの作り方として、静置発酵法があります。2〜3ヶ月の期間をかけて自然の力でじっくり発酵させて作ります。
一方で、現在の主流となっているのが速醸法です。およそ24時間で出来上がるよう、空気を送り込みながら作られています。酸度の高い酢が作られるため、水分で薄めて酸度の調整をしています。
静置発酵法で作られたものは、熟成された独特な風味やコク、旨味がある酢です。作り方が違うだけで、料理の味がワンランクアップしますので、ぜひお試しください。

まとめ
手間暇かけて作られた昔ながらの製法は、健康面だけでなく美味しさが格段に違います。毎日の食事で使う基本の調味料だからこそ、製法までチェックし、より安心安全なものを選びましょう。
ご紹介した基本調味料はとてもシンプルな原材料ですが、製法によって味わいが全く異なります。お住まいの地域で作られているものや、旅行先で作られているものを試しながら、自分の好みに合う味わいを探してみてください。
