ある人がこう言いました。
「タイ古式マッサージはマッサージの終着点だ」
これはどういう意味でしょうと尋ねました。その人は、整体やもみほぐし、リラクゼーションサロンなど数多くのサロンへ足を運んだことがある人で、もっとも施術効果を実感できるのがタイ古式マッサージとのことでした。
テスクワークの疲れや家事の疲れなど、マッサージを受けているときは至福のひと時です。そして、肩こり腰痛、足の疲れなどの場合、日本では整体やもみほぐしサロンへ通うのが一般的ではないでしょうか。そもそもタイ古式マッサージという選択肢が無かったり、お店に入りずらいとかの印象があります。ですが、タイ古式マッサージに通っている人が一定以上いるのは確かです。
今回、そんなタイ古式マッサージについてご紹介したいと思います。
【タイ古式マッサージの歴史】
タイ古式マッサージは、2500年前のブッダの時代にもさかのぼると言われるタイ伝統医療です。仏教の僧侶たちがインドからタイに移り住む形で仏教が伝来しましたが、ブッダの主治医であるインド人医師シバコがタイ古式マッサージの創始者と言われています。タイには仏教と共にタイ古式マッサージが伝わり、寺院の僧侶から僧侶へと受け継がれながら、独自に発展したのがタイ古式マッサージです。
【ユネスコ無形文化遺産に登録されたタイ古式マッサージ】
芸能や伝統工芸技術などの形のない文化を世代を超えて保護しましょうというのがユネスコ無形文化遺産です。そして2019年にタイ古式マッサージがユネスコの無形文化遺産に登録されました。このことにより、長年継承されてきたタイ伝統の療法が世界的に認められることになりさらに注目される施術になりました。
【タイ古式マッサージの効果】
現代の私たちは、様々な要因で多くのストレスを抱えながら生活をしております。そしてストレスが原因で体の不調を訴える人たちが多くなってきております。その不調を薬や注射で症状を止めて対処療法を行うのが現代医学です。一方、タイ古式マッサージはこわばった筋肉をほぐし体の歪みを整えて 体全体のバランスを調節し自然治癒力を高め根本的に治そうというのがタイ古式マッサージの理論です。
タイ古式マッサージはタイ国内ではタイ伝統医学となっております。タイでは30%の人がタイ伝統医学で自然治癒力を高め病気を治そうと考えているといわれています。
タイの衛生省(日本では厚生省にあたる)では、タイ古式マッサージを治療に応用する研究が行われておりその結果、頭痛、腰痛、肩こり、生理痛や生理不順、不眠、喘息、高血圧、冷え性、便秘、アレルギーなど様々な治療効果や予防効果があることを報告しております。タイ古式マッサージは2500年以上の歴史があり、長い間に積み重ねてきた経験よる施術で、多くの人々を救った実績があります。
【タイ古式マッサージの施術方法】
局所的なマッサージは行わない!
例えばもみほぐしサロンなど行くと、肩こりなら肩中心のマッサージ、腰痛なら腰中心のマッサージなど局所的なマッサージを行います。ですが、タイ古式マッサージではそのような局所的なマッサージは行いません。
どのような症状でも足のつま先から頭のてっぺんまで施術を行うのが特徴です。逆に言うとどのような不調があっても施術内容の大枠はほぼ変わりません。また、もみほぐしサロンで時々見かけるクイックコース(30分)などありますが、タイ古式マッサージのスタンダードは120分です。
定期的な120分の施術で全ての不調箇所の解消を目的としてます。実際には60分コースや90分コースなどありますが、それは現代のお客様のニーズに合わせた形となります。
①手のひら全体で圧迫
手のひら全体で体を圧迫して押します。その手のひら全体の圧が均一なのが上手なセラピストの特徴です。
②指先で刺激
タイ古式マッサージ独自の理論で体にはエネルギーライン(セン)が存在します。そのエネルギーラインを指で刺激します。
③ストレッチで引っ張る
様々な手法のストレッチがタイ古式マッサージの特徴のひとつです。
タイ古式マッサージの施術は、一定のリズムで①②を行い、流れるように③を行います。
この感覚を知ってしまうとタイ古式マッサージの虜となってしまうでしょう。
【神秘的な側面もあるタイ古式マッサージ】
マッサージの施術は、血行促進や筋肉弛緩など体の仕組みにフォーカスしますが、タイ古式マッサージはそれだけでなく神秘的な面も持ち合わせています。それは、早朝などのタイ古式マッサージを始める前にお祈りをするのがタイ古式マッサージのセラピストの日課です。何についてのお祈りかというと、創始者シバコへお祈りになりますが、創始者シバコと波長を合わせて、創始者と意識が繋がり創始者の人々の苦しみを助けたいという精神状態になってタイ古式マッサージを行います。精神状態が整った状態で施術を続けられるかどうかはそのセラピストの腕次第ということになります。元々宗教とともに伝わったタイ古式マッサージです。ただ施術を受けるだけでは全く分からないですが、実は宗教観も交わった施術がタイ古式マッサージとなります。